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謎に包まれたブルームーンの起源を独自リサーチで解明

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ブルームーンって、ご存知ですか?決して「青い月」のことでは ないのです。実は、調べているうちに、北欧文化とブルームーンには、深い歴史があることが分かってきました。

 

一体、どんな興味深い歴史があるのか、見ていきましょう。

 

 

目次

 

 

ブルームーンって何?

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ブルームーンだからと言って『青い月』というわけではありません。ブルームーンとは1ヶ月の内に2回満月がある場合の2回目の満月を意味します。

 

ブルームーンの起源とは?

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実はブルームーン詳しい起源や由来については、今のところはっきり分かっていません。しかし、この記事では現在分かっている限りの情報を集め、おそらくこれが起源ではないかというところまで追跡しました! 

 

 

ブルームーンの由来については様々な伝承があります。中でも興味深いのは、米メイン州の農歴に人々が一つの季節(春分夏至秋分冬至で区切られた季節)に4回満月がある場合の3日目ブルームーンと呼んでいたことが記されていることです。しかし、その概念そのものがどこから来ているのかは定かではありませんでした。

 

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これだけを見ると、アメリカが起源なのかも知れないと思ってしまいます。それにもしかすると、ネイティブ・アメリカンに由来するのかもしれないと思いました。というのは、現在メイン州と呼ばれている全域には数千年前からネイティブ・アメリカンの先住民が住んでいたからです。ところが、。。。

 

 

世界中に散らばる「ブルームーン」の由来

 

ロンドン天文台大学の「The Name of Moons」という資料によると、イギリスの古い月齢カレンダーには、それぞれの満月に詩的な名前が付けられていた事が判明しました!日本でいうところの月の和暦と似ています。

 

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以下はロンドン天文学の資料をもとに、イギリスの古い月齢カレンダーに記された「詩的な満月の別名」を翻訳したものです。

 

Moons of 2018(2018年の月)の資料が示す謎

この月齢カレンダーには月の出入り、満ち欠け以外にも実に多くのことが記載されてあります。中でも興味深いのは「ユール後の月」「狼の月」「卵の月」など1年中の満月に名前が付けられてあることです。

 

Winter Solstice: 2017 December 21, UT 16:28(2017年の冬至:12月21日)

0 Moon After Yule(ユール後の月) January 2, 02:24
1 Wolf Moon(狼の月) January 31, 13:27
2

Lenten Moon(四旬節の月)

March 2, 00:51

 

 

ここにある「ユール後の月」の「ユール」とは一体何を意味しているのだろうか?調べてみると、実に興味深い事実が分かってきました。

 

古代北欧の祝祭。古語ではjól。古英語geolやゴート語fruma‐jiuleis(〈11月〉)の対応語の存在から,広く古代ゲルマン人全般にあったと考えられるが,その実体は不明。

 

スウェーデン人学者セランデルH.Celanderによれば,ユールはキリスト教定着以前の北欧では個々の家庭,血族集団がかかわる収穫祭,豊穣祭の性格をもつ私的祭儀であった。祝祭は,干し草作りや放牧家畜の囲込みなど,収穫作業を完了したあと,そして冬至の前の時期,すなわち中世北欧の暦法で〈ユーリルýlir〉と呼ばれた第2冬月(太陽暦の10月中旬から11月中旬まで)に,とくに雄豚を供犠したあと食べ,ビールを飲むなどの共同会食を伴った宴として催され,その意図は豊穣神への感謝と祈願,血族構成員間のきずなの強化であったろう。世界大百科事典第二版参照。

 

 

 

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また、ウィキペディアではこの儀式がキリスト教の儀式と融合したことを示唆しています。

 

ユール(北欧語: jul、英語: yule)は、古代ヨーロッパのゲルマン民族ヴァイキングの間で、冬至の頃に行われた祭りのこと。

 

のちにキリスト教との混交が行われたが、北欧諸国では現在でもクリスマスのことをユールと呼ぶ。

 

英語でもユールタイド(yuletide)[1]と呼び、クリスマスの祝祭自体を指す言葉となったが、現在は古語とされている。北欧のユールには、キリスト教伝来以前の習慣と結びついた、独自の様々な習慣がみられる。ウィキペディアより参照。

 

上記から分かるように、「ユール」の呼び名はもともとは、北欧のゲルマン民族ヴァイキングのお祭り(後にキリスト教と融合してクリスマスになった説が有力)の呼び名だったということになります。サンタクロースの起源キリスト教ではなく、もともとは北欧の伝承が元になっていることはヨーロッパでは有名な話です。

 

 

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Spring Equinox: 2018 March 20, UT 16:15(2018年春分:3月20日

3 Egg Moon(卵の月) March 31, 12:37
4 Milk Moon(ミルクの月) April 30, 00:58
5 Flower Moon(花の月) May 29, 14:20


Summer Solstice: 2018 June 21, UT 10:07(2018年夏至:6月21日)

6 Hay Moon(干草の月) June 28, 04:53
7 Grain Moon(穀物の月) July 27, 20:20
8 Fruit Moon(果実の月) August 26, 11:56


Autumn Equinox: 2018 September 23, UT 01:54(2018年の秋分:9月23日)

9 Harvest Moon(収穫の月) September 25, 02:52
10 Hunter's Moon(狩人の月) October 24, 16:45
11 Moon Before Yule(ユール前の月) November 23, 05:39

 

ブルームーンの起源は北欧なのか? 

 

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そしてこのカレンダーにはなんとブルームーンの記載もあったのです。もしかしたら、ブルームーン北欧のヴァイキングやゲルマン民俗文化を起源としている概念なのかもしれません。

 

ちなみに、このカレンダーにはカトリックで使われている四旬節の月」の記載もあり、これはおそらく前述の北欧文化とカトリック文化が融合の痕跡と思われます。

 

ブルームーンの起源はペイガニズム!?

 

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春分夏至秋分冬至を祝う儀式は、西洋ではもともとは自然崇拝・多神教ペイガニズムの特徴で、ブルームーンも遡るとそこに行き着くのではないかと個人的には思っています。

 

 

ペイガニズムという宗教は、現在ではDruidドルイド)が有名である事から、アイルランドスコットランドを拠点とするケルト文化特有の宗教と思われがちですが、実はそれは全くの嘘で、昔は北欧や東欧などヨーロッパ全域に根付いていた宗教でした。

 

キリスト教の祝日はもともとはペイガンのお祭りだった!?

 

 

その昔からヨーロッパに根付いていたペイガンの宗教文化を上手くキリスト教に取り入れたのが、イタリアの東北部を支配していた東ローマ帝国と言われています。

 

最近、ハンガリー人(現在はハンガリーだが、昔はハプスブルク家が支配していたオーストリア領土の一部)の友人から教わって色々調べてゆくうちに分かったことですが、オーストリアではハロウィンをお祝いしません。

 

ハロウィンペイガニズムを象徴するお祭りです。収穫祭とも混同されがちですが、もともとは精霊を祀る日でした。

 

そのため、キリスト教文化が浸透しているオーストリアでは、ハロウィンの翌日にあたる11月1日と2日に、ご先祖様のお墓参りをして故人を偲びます。

 

これは、ペイガンの祭りが廃止されキリスト教の儀式へと変化した代表例と言えるでしょう。

 

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この日はAllerheiligen(アラーハイリゲン)と言って、もともとはハロウィンの祝日であったのを東ローマ帝国キリスト教の祝日に変えたことが始まりと言われています。オーストリアではハプスブルク家が長年カトリックを国の宗教としてきました。

 

この事実をみても、ヨーロッパのキリスト教文化がどのようにしてペイガニズムと融合してきたかという事が分かると思います。

 

ブルームーンの撮影の仕方

 

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最近は、単焦点広角レンズや良いカメラを持っていなくても、スマートフォンで結構きれいに月の撮影ができるようです。スマートフォンで月の撮影をする場合は、専用のアプリをダウンロードすると綺麗に撮れます。私も前回のスーパー・ブラッド・ブルームーンを見れなかったので、今度こそは綺麗に撮影したいと思います。

 

 

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単焦点広角レンズで撮影する場合は、最低でもF2.8以上に開いてシャッタースピード30秒以上に設定することをおススメします。ズームレンズでの撮影も大丈夫だとは思いますが、その場合は月が動いてしまうので、動画で撮影する人が多いようです。

 

お手頃価格でかなり綺麗に月が撮影できるのは、キヤノンのsx510 HSです。こちらはカメラの本体価格込みで3万円ほどで新品を、1~2万円ほどで中古を購入できます。

 

 

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私は月の撮影はキヤノンsh510 HSで、星空撮影用には別なカメラを購入しようと思っています。星空撮影用に第一候補に上がっているのが、PENTAX K-5 (本体価格:2万円前後)です。これに韓国のレンズメーカーのSAMYANG 単焦点広角レンズ 14mm F2.8 (価格:4万円弱)を付けようかと思っています。日本製の単焦点広角レンズだと最低でも10万円ほどなので、それと比べるとこちらはかなりお手頃です。

 

もう少し予算があれば、PENTAX K-1(中古の本体価格:約5万円)が欲しいところです。このPENTAX K-1はなんと動く星をきれいに撮るのには欠かせない赤道儀と同じような機能をもつアストロレーサー機能(別売りで1万6千円程度)を搭載しています!

 

 

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おわりに

今回は、ブルームーンについて紹介しました。今まではっきりとしていなかったブルームーンの起源や由来」ですが、この記事のリサーチでは大分近いところまで追跡できました。観測方法や月の出入りなどを知って是非ブルームーンを観察してみましょう!

 

この記事を最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。